2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴィギリウス・ハウフニエンシス(キェルケゴール)著『不安の概念』考-まとめノート➃-

キェルケゴールの思考とヘーゲルの思考は、人が著作の中に深く達すれば達するだけ、全く不等な行き方のものであることが分かる。単に一つの点或いは多くの個々の点の不一致が問題ではない。なぜなら、そのような不一致はたぶん除くことができるであろう。そ…

ヴィギリウス・ハウフニエンシス(キェルケゴール)著『不安の概念』考-まとめノート③-

[キェルケゴールは]伝統的な教義的解釈たるアダムの根源正義と堕罪による宿罪の理解から離れて立っているというエマニュエル・ヒルシュの指摘はもっともであり、『不安の概念』を理解しようとする人々は、屡々伝承的な教義学の立場に立ったままでキェルケ…

セーレン・キェルケゴール『瞬間』第十号(遺稿)より「「瞬間」とは何時なのか?」試訳

『瞬間』誌第十号(遺稿) Naar er »Øieblikket«? 「瞬間」とは何時なのか? ────────── Øieblikket er, naar Manden er der, den rette Mand, Øieblikkets Mand. 瞬間とは、その人、即ち真正の人、瞬間の人がそこに存在する時のことだ。 Dette er en Hemmel…

セーレン・キェルケゴール『瞬間』誌第5号より「長い衣で歩き廻ることが好きな者たちに対して用心せよ!」

Øieblikket Nr.5 『瞬間』第五号 »Vogter Eder for dem, som gjerne gaae i lange Klæder!« (Mc. 12, 38; Luc. 20, 46.) 「長い衣で歩き廻ることが好きな者たちに対して用心せよ!」 (マルコ伝12章38節、ルカ伝20章46節) 15 Juni 55 1855年6月15日 Da »Sa…