2016-11-15から1日間の記事一覧

グノーシス用語辞典(ら行)

グノーシス用語辞典 楽園/パラダイス 旧約聖書『創世記』のエデンの園は「東の方」に設けられたとされ、読者には平面での連想を誘う。しかし、新約時代になると、それとは対照的に垂直軸に沿って楽園を「第三の天」に位置づける見方があったことは、すでに…

グノーシス用語辞典(や行)

グノーシス用語辞典 ヤルダバオート/イアダルバオト/イアルダバオト 可視的な中間界以下の領域を創造して、支配する造物主デミウルゴスに対する最も代表的な呼称。「サクラ(サクラス)」あるいは「サマエール」とも呼ばれる。プレーローマの中に生じた過…

グノーシス用語辞典(ま行)

グノーシス用語辞典 見えざる霊 「処女なる霊」と一組で用いられて至高神を指す場合が多い。モノゲネース ギリシャ語で「独り子」の意。エイレナイオス『異端反駁』の報告におけるヴァレンティノス派グノーシス主義の教説においては、至高神(ビュトスあるい…

グノーシス用語辞典(は行)

グノーシス用語辞典 場所 グノーシス主義の神話では「あの場所」、「この場所」というような表現で超越的な光の世界と地上世界を指し、「中間の場所」でその中間に広がる領域を表現することが多い。『三部の教え』では、否定神学の意味で、神は「場所」の中…

グノーシス用語辞典(な行)

グノーシス用語辞典 七人 ヘレニズム時代に一般的に七つの領域と見做されていた月、太陽、金星、水星、火星、木星、土星が神話論的に擬人化されたもので、中間界以下の領域の悪しき支配者(アルコーン)。ギリシャ語魔術文書や広範なグノーシス主義文書に、…

グノーシス用語辞典(た行)

グノーシス用語辞典 第一の人間/完全なる人間/真実なる人間/人間 超越的世界プレーローマの至高神のこと。必ずしもすべての神話が至高神にこの呼称を与えているわけではないが、「人間即神也」というグノーシス主義一般に共通根本的思想をもっとも端的に…

グノーシス用語辞典(さ行)

グノーシス用語辞典 サクラス/サクラ 主にヤルダバオート、サマエール、あるいはパントクラトール(万物の支配者)の名で呼ばれる造物主デミウルゴスと同じ。語源はアラム語ないしシリア語で、「馬鹿な」を意味する。サバオート 旧約聖書における「万軍の主…

グノーシス用語辞典(か行)

グノーシス用語辞典 カオス/混沌 [ギ]kaos [英]chaos しばしば「混沌」と訳されるが、原義は「原初にできた裂け目」。ギリシア神話を詳解しているヘシオドスの『神統記』によると、世界の淵源はカオスであり、そのカオスが生じた後にガイア(大地)やタルタ…

グノーシス用語辞典(あ行)

グノーシス用語辞典 アイオーン アイオーンはギリシャ語で、ある長さの「時」、「時代」、「世代」を意味する。プラトンは「永劫」の意味で用いていた。グノーシス神話では、至高神の思惟による自己分化によって流出した神的存在が対を成し、さらにまた分化…