グノーシス用語辞典(ま行)

グノーシス用語辞典

見えざる霊
 「処女なる霊」と一組で用いられて至高神を指す場合が多い。

モノゲネース
 ギリシャ語で「独り子」の意。エイレナイオス『異端反駁』の報告におけるヴァレンティノス派グノーシス主義の教説においては、至高神(ビュトスあるいはプロパトール)とその女性的「対」(エンノイアあるいはシゲー)から生まれ、キリストと精霊を流出する存在。『ヨハネのアポクリュフォン』では、アウトゲネース、すなわちキリストと同定される。

模倣の霊/忌むべき霊
 ギリシャ語「アンティミーモン プネウマ」の訳。『ヨハネのアポクリュフォン』において集中的に言及される。特にその歴史的起源を補論の形で論じる箇所によれば、プレーローマから派遣された「光のエピノイア」を見た悪の天使たちが、それに似せて造り出し、人間の娘たちを誘惑して子供を産ませる力とされている。