読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

セーレン・キェルケゴール『各-単独者』私の著作家-活動に関する二つの「覚書」:試訳①

»Den Enkelte« 『各-単独者』 Tvende »Noter« betræffende min Forfatter-Virksomhed 私の著作家-活動に関する二つの「覚書」 Af S. Kierkegaard S・キェルケゴール 著 Forord 序言 I disse Tider er Alt Politik. Det Religieuses Anskuelse er en derfr…

ヴィギリウス・ハウフニエンシス(キェルケゴール)著『不安の概念』考-まとめノート➃-

キェルケゴールの思考とヘーゲルの思考は、人が著作の中に深く達すれば達するだけ、全く不等な行き方のものであることが分かる。単に一つの点或いは多くの個々の点の不一致が問題ではない。なぜなら、そのような不一致はたぶん除くことができるであろう。そ…

ヴィギリウス・ハウフニエンシス(キェルケゴール)著『不安の概念』考-まとめノート③-

[キェルケゴールは]伝統的な教義的解釈たるアダムの根源正義と堕罪による宿罪の理解から離れて立っているというエマニュエル・ヒルシュの指摘はもっともであり、『不安の概念』を理解しようとする人々は、屡々伝承的な教義学の立場に立ったままでキェルケ…

セーレン・キェルケゴール『瞬間』第十号(遺稿)より「「瞬間」とは何時なのか?」試訳

『瞬間』誌第十号(遺稿) Naar er »Øieblikket«? 「瞬間」とは何時なのか? ────────── Øieblikket er, naar Manden er der, den rette Mand, Øieblikkets Mand. 瞬間とは、その人、即ち真正の人、瞬間の人がそこに存在する時のことだ。 Dette er en Hemmel…

セーレン・キェルケゴール『瞬間』誌第5号より「長い衣で歩き廻ることが好きな者たちに対して用心せよ!」

Øieblikket Nr.5 『瞬間』第五号 »Vogter Eder for dem, som gjerne gaae i lange Klæder!« (Mc. 12, 38; Luc. 20, 46.) 「長い衣で歩き廻ることが好きな者たちに対して用心せよ!」 (マルコ伝12章38節、ルカ伝20章46節) 15 Juni 55 1855年6月15日 Da »Sa…

ヴィギリウス・ハウフニエンシス(キェルケゴール)著『不安の概念』考-まとめノート②-

セーレン・キェルケゴールの著作『不安の概念』は、或る意味では、既にP・M・メラーが将来に激震を齎すだろうと予見し、ニヒリズムという名称によって総括した否定的な諸傾向を徹底的に論破するものと解されなければならない。ニヒリズムの傾向は精神的存在…

ヴィギリウス・ハウフニエンシス(キェルケゴール)著『不安の概念』考-まとめノート⓵-

本ブログ記事は、非常に難渋な言い回し方が多いヴィギリウス・ハウフニエンシス(キェルケゴール)著『不安の概念』について、原文を参照しつつそのアウトラインを追うことができるようにまとめたノートです。アウトラインを追えるようにするという意味で、…

アンチ-クリマクス著/セーレン・キェルケゴール刊 『死に至る病』-キリスト教的な哲学的人間学と人間的可能性の現象学を指標とする論述-まとめノート➃

[…]Mennesket er en Synthese af Uendelighed og Endelighed, af det Timelige og det Evige, af Frihed og Nødvendighed, kort en Synthese. En Synthese er et Forhold mellem To. Saaledes betragtet er Mennesket endnu intet Selv. I Forholdet melle…

アンチ-クリマクス著/セーレン・キェルケゴール刊 『死に至る病』-キリスト教的な哲学的人間学と人間的可能性の現象学を指標とする論述-まとめノート③

Mennesket er Aand. Men hvad er Aand? Aand er Selvet. Men hvad er Selvet? Selvet er et Forhold, der forholder sig til sig selv, eller er det i Forholdet, at Forholdet forholder sig til sig selv; Selvet er ikke Forholdet, men at Forholdet fo…

グノーシス用語辞典(ら行)

グノーシス用語辞典 楽園/パラダイス 旧約聖書『創世記』のエデンの園は「東の方」に設けられたとされ、読者には平面での連想を誘う。しかし、新約時代になると、それとは対照的に垂直軸に沿って楽園を「第三の天」に位置づける見方があったことは、すでに…

グノーシス用語辞典(や行)

グノーシス用語辞典 ヤルダバオート/イアダルバオト/イアルダバオト 可視的な中間界以下の領域を創造して、支配する造物主デミウルゴスに対する最も代表的な呼称。「サクラ(サクラス)」あるいは「サマエール」とも呼ばれる。プレーローマの中に生じた過…

グノーシス用語辞典(ま行)

グノーシス用語辞典 見えざる霊 「処女なる霊」と一組で用いられて至高神を指す場合が多い。モノゲネース ギリシャ語で「独り子」の意。エイレナイオス『異端反駁』の報告におけるヴァレンティノス派グノーシス主義の教説においては、至高神(ビュトスあるい…

グノーシス用語辞典(は行)

グノーシス用語辞典 場所 グノーシス主義の神話では「あの場所」、「この場所」というような表現で超越的な光の世界と地上世界を指し、「中間の場所」でその中間に広がる領域を表現することが多い。『三部の教え』では、否定神学の意味で、神は「場所」の中…

グノーシス用語辞典(な行)

グノーシス用語辞典 七人 ヘレニズム時代に一般的に七つの領域と見做されていた月、太陽、金星、水星、火星、木星、土星が神話論的に擬人化されたもので、中間界以下の領域の悪しき支配者(アルコーン)。ギリシャ語魔術文書や広範なグノーシス主義文書に、…

グノーシス用語辞典(た行)

グノーシス用語辞典 第一の人間/完全なる人間/真実なる人間/人間 超越的世界プレーローマの至高神のこと。必ずしもすべての神話が至高神にこの呼称を与えているわけではないが、「人間即神也」というグノーシス主義一般に共通根本的思想をもっとも端的に…

グノーシス用語辞典(さ行)

グノーシス用語辞典 サクラス/サクラ 主にヤルダバオート、サマエール、あるいはパントクラトール(万物の支配者)の名で呼ばれる造物主デミウルゴスと同じ。語源はアラム語ないしシリア語で、「馬鹿な」を意味する。サバオート 旧約聖書における「万軍の主…

グノーシス用語辞典(か行)

グノーシス用語辞典 カオス/混沌 [ギ]kaos [英]chaos しばしば「混沌」と訳されるが、原義は「原初にできた裂け目」。ギリシア神話を詳解しているヘシオドスの『神統記』によると、世界の淵源はカオスであり、そのカオスが生じた後にガイア(大地)やタルタ…

グノーシス用語辞典(あ行)

グノーシス用語辞典 アイオーン アイオーンはギリシャ語で、ある長さの「時」、「時代」、「世代」を意味する。プラトンは「永劫」の意味で用いていた。グノーシス神話では、至高神の思惟による自己分化によって流出した神的存在が対を成し、さらにまた分化…

アンチ-クリマクス著/セーレン・キェルケゴール刊 『死に至る病』-キリスト教的な哲学的人間学と人間的可能性の現象学を指標とする論述-まとめノート②

5.序論-「ラザロの復活」論- 序論では二つの種類の死が問題となっている。 1⃣通常の肉体上の死 2⃣イエス・キリストによって約束された永遠の生命を信ずることができないという意味での絶望としての死 序論は『ヨハネによる福音書』のいわゆる「ラザロの復…

アンチ-クリマクス著/セーレン・キェルケゴール刊 『死に至る病』-キリスト教的な哲学的人間学と人間的可能性の現象学を指標とする論述-まとめノート①

本ノートは、アンチ-クリマクス(セーレン・キェルケゴール)著『死に至る病』(1849)について、概説的にまとめたノートである。まとめるにあたっては、私淑する大谷長、桝田啓三郎、山下秀智の三氏の解釈を大いに参考にさせていただいていることを注記し…

ソクラテスの遺言-ミシェル・フーコー『真理の勇気-自己と他者の統治Ⅱ-』-

ソクラテスの遺言 ミシェル・フーコー『真理の勇気-自己と他者の統治Ⅱ-』 1984年2月15日 第二時限講義の考察 「真理のためには命を捧げる」 (ラテン詩人ジュヴェナーリス) 0.はじめに 本稿は、主にミシェル・フーコーが『真理の勇気-自己と他…

灰羽連盟とグノーシス-クウにおける開示真理と単独者としての旅立ち-

「すべてのものがロゴスによって生じた。そしてそれなくしては、無が生じた。ロゴスの内に命があった。生命は人間を照らす光であった。光は闇の中で輝いている。闇は光を理解しなかった(阻止できなかった)。」『ヨハネによる福音書』1:3-5 この頁はかつて…